人、ラブ!!!
※DRRR!!
※静雄と臨也
「俺はね、シズちゃん」くちびるにうすく血をにじませて、肩で息をしながら、それでもわらって目の前の奴はこう言った。「この世のなにより、いちばん、人間を愛しているんだよ」その響きがまるで泣いているように聞こえたのは、はたして、どうしてだったんだろう。
朝、いつものようにトムさんからの電話で起きて、いつものようにねぼけまなこでシャツを探して、布団の中でくしゃくしゃとパジャマを脱ぎながら今日の仕事について考える。取立て屋という今の仕事は自分の生き方にしっくりとくる。ように思う。ただ暴力で脅して金を取ればいい。ラクな仕事だ。大体の場合、こちらに損害はない。身体的にはもちろん、精神的にも。歯を磨き泡だらけの唾を洗面に吐きながら俺はコキリと首を鳴らした。
その仕事は想像したとおりスムーズに運び、ものの数分の間に終わった。俺のまわりには何人もの人間が倒れているがたぶん死んではいないだろう。最後のひとりをフン掴まえてブンと投げ飛ばしたところでトムさんから「ご苦労様」と声をかけられた。パンっと手を払ってその場を去る。先ほど殴った男の恐怖に慄いた顔を思い出す。殺さないで下さい、という叫び声を思い出す。ふるふると頭を振る。やめろ。やめろやめろやめろ。怖いと俺を見る目が俺の心を刺す。やめろ。やめてくれ。怖いのは、ほんとうにそれが怖いのは、
「お疲れーシーズちゃん」
聞き慣れた、耳に障る声が脳味噌の端っこをかすった。「てめぇッ」と言い様振り向くと、パンパンと拍手をしながら全身黒い衣装に身を包んだ男がこちらへ向かって歩いてきた。「まーた今日もずいぶん派手にやったねぇ」「うるせえ。てめえには関係ねえだろ」「関係ないよ、もちろん関係ない。シズちゃんがどこで何をしようが、どこでおっ死のうが俺には全然まったく関係ない。だけどたまたまここを通りかかったら俺がこの世で唯一嫌いだと言い切れる人間であるシズちゃんの姿を見かけちゃったんだから仕方ないじゃない。あ、これ関わりが出来ちゃったってことだよ、わかるシズちゃん?」「うるせえだまれしね。とりあえず殺して欲しいんだろよしわかった殺してやる捩り殺してやる安心しろこっち来い」「やだなあそんなこと言われて近付いていくバカがどこにいるの?あ、俺の目の前か」「ぶっ殺す」近くにあったワゴン車をひっ掴んでぶん投げるとヤツはそれを予想していたかのようにさっと避け、それから転がったそのワゴンの上にひらりと舞い乗った。「あのね、シズちゃん、俺はね」そこでナイフを取り出してすうと天を指す。「俺は、人を愛しているんだよ」
人を愛している。それはことあるごとにヤツの吐く台詞だった。そのわりに人を愛しているような行動をとっているところを俺は見たことがないし(たとえば見知らぬおばあちゃんの荷物を持ってあげるとかひとりの彼女を大切に守るとかだ、)とてもその言葉は信じられたものではなかった。だが、そのとき、なぜか俺は奴の吐いたその言葉に泣いているような響きを感じた。愛している。俺を激しいデジャビュが襲う。これはなんだろう。これは。これは、はじめて会ったときの。
「あのね、シズちゃん」
まっさおな空をバックに黒い学生服をなびかせて、屋上のフェンスに不安定に立ったままイザヤは俺の目をまっすぐに見詰めてそれから鮮やかにわらった。「愛してるよ」たったひとこと、それだけを告げるために生まれてきたかのようにヤツの目はうつくしく澄んでいた。そのたった1回だけ、俺はヤツのことを殴れなかったのだ。まるで吸い込まれるようにして俺はただヤツに見入っていた。「あいしてる」泣いているようなその声に俺は体が動かなくなった。ぎこちなく触れたくちびるは、ほんとうは、いったい何を告げたかったんだろう。俺はその答えを聞けないまま、ただ人形になったかのようにその場に立ち尽くしていた。すっと一歩下がったヤツは「君には一生わからないだろうね」と言った。「だけど俺は、」そのときざあとつよく風が吹いた。そして、そのつづきの言葉を俺は、それきり聞けないままだ。
横たわったワゴンに乗ったままヤツは、その手にあるナイフをゆっくりと俺のほうに向けた。「・・・イザヤ」びゅうと風が吹く。あおく澄んだ空をバックにヤツが微笑む。「愛してるよ」きっと二度と聞けないその言葉に俺は思わずニヤリとわらう。「イザヤアアアアァァァァァアアアアアアア!!!」「ハハッ」俺が振り回した標識がイザヤの頬をかする。キン、とナイフとこすれる音がした。「人間を、愛している」そう言い続けるヤツはきっといつかそうして枯れてゆく。ただ人を愛しながら、愛されることを望みながら。そして、こうして日々暴力を行使し続ける俺も。なら。くちびるにうすく血をにじませて、肩で息をしながら、それでもわらってヤツは、「とりあえずさ、しんでよシズちゃん」と言った。「こっちのセリフだ。とりあえず今日殺してやるから覚悟しろ」最後だけは互いの手で。
R/A/D/W/I/M/P/Sの愛/しに萌え滾って。あれは静雄だ!と真夜中にメールを送ってきたさなぎは萌えの女神。そしてそれを勢いで小説にしちゃってるわたしは萌えの奴隷。シズイザ好きにもらっど好きにもほんとにほんとに申し訳な・・・!土下座!!フィーリングによるただの妄想なので大目に見てもらえれば・・・嬉しいです。ではでは!おやすみなさい!(^ω^)
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うぽつ(^o^)
- さなぎ
- 2010/05/15(Sat)22:11:00
- 編集
いやね、かるーく愛/しを聞いてたら、「あれ?・・・なんか、静雄じゃね?あれ?なんか萌えね?」と思ってメールをした次第で御座います(^ω、^)ジュルッ
歌だけでも十分萌えたのに、それを更に萌える形にして下さってありがとうございました(^Д^)m9
2日連続でこんなに萌えを補充できるなんて・・・っ←
なんということでしょう。←
それではb
萌えた
- 芦野
- 2010/05/18(Tue)15:09:02
- 編集
さなぎちゃんネ申!!
奴隷がこんなでごめんなさいww(^Д^)ピギャー
萌え補給に・・・なってるといい・・・な(//ρ//)
結論。戦争コンビは存在がmoe!
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プロフィール
ぎんたま、ばさら、おおふりを愛しています。テニヌの王子様、デュラララ!!に夢中です。愛、溢れ出ちゃう!
※解離性障害(多重人格・不随意運動ほか)を患っています。そのため更新も一人ではなく数人でおこなうことがあるかもしれません。ご了解下さいませ。
※ここに置いてある小説もどきみたいなんは、特に表記のない場合ぜんぶテニヌの王子様二次です。
※CPに節操はありません!お気をつけ下さい!