魅惑の保健室
だよ!お待たせ某人!笑 リクエストありがとう!期待には添えてない自信があるぜ!!
※てづかとあとべ
※教師と生徒でパラレル
大好きだった先生に振られたのは夏休みの始まる前日のことだった。しゃわしゃわと鳴り響くセミの合唱をBGMに、俺にはしかし先生の声しか聞こえていなかった。
「・・・え?」
「だから、終わりにしようと言ったんだ」
瞬間、俺の世界が回転するのを感じた。みん。みんみんみんみん。みーんみーんしゃわ。しゃわしゃわしゃわしゃわ。しゃわしゃわしゃわ、しゃわ、しゃわ、さ。ささささ。ささ、ささささ。みーんみーん。
気付くとそこはしろい場所だった。目の前がしろい。しろくて痛い。けれどやっぱり、セミの声が聴こえた。みーんみーん。まわりを見回す。薄黄色のカーテンが引かれていた。それ以外なにもない。ああ。ここは保健室だ。ということは俺は倒れたのか。我ながら弱いことだ。呆れてしまう。先生にも呆れられただろうか、と少し心配する。そして気付く。ああそうだ、俺は先生に振られたんだ。呆れられたってもう関係ないんだ。そう思うと眉間のあたりがじわりと痛んだ。熱いものが瞼を濡らす。視界が歪む。ああ、俺は泣いているんだなと思うと同時に、ここが保健室でよかったとなんとなく安堵した。
顔を枕に押し付けて、ぐすっぐずっと泣きながら、そういえば俺はもう随分長いことこうして泣いていなかったなということにふと気付いた。俺はいつでも先生に追いつくのに必死だった。すこしでも大きく見てもらおうと必死だった。いつでも背伸びをしていた。泣くなんてそんなのとんでもなかった。だって泣くのは子供のすることだ。大人は泣いちゃダメだ。だって俺はわんわんと声を上げて泣く大人を見たことがない。先生も泣かなかった。だから俺だって泣けない。泣いちゃいけない。たとえどんなに悲しくても。たとえどんなに辛くても。だって相手は大人なんだ。俺だって早く大人にならなければ。そう思っていた。
けど、違った。俺はぐずぐずと嗚咽を漏らしながら思った。俺がずっと泣かなくても、悲しいことを我慢しても、先生は行ってしまった。俺が必死になったって無駄だった。なぜなら背伸びをすることは、大人になるということじゃなかったからだ。俺はそんなこともわからなかった。俺はどうしたってこどもだった。そして先生は何があったって大人だった。だから先生は俺に終わりを告げたんだ。「さようなら」と回転する世界の中で、俺は先生の、光る眼鏡の奥から零れる涙を見た気がした。それが答えだ。
もう、声を抑えることもなく大きく声を張り上げて泣きじゃくりながら俺は、「大好きだったぜ、先生」と叫んだ。その声は嗚咽と混ざってほとんど消えてしまったけれど、俺の鼓膜を通って脳味噌を揺らした。しゃわしゃわと響くセミの声と合わさって、俺もだ、と言ってくれたあのときの先生の声が聴こえた気がした。
本当はあとべうけを書いているつもりだったんだけれどもはや何がなんだか・・・^^;先生と生徒という関係と保健室という場所はいつまでも限りなく魅惑のシチュエイションだよね(と話をそらして逃げる)。某人、これで満足・・・してもらえたはずはないよな。ごめんまたリベンジします。目指せ魅惑の保健室!
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プロフィール
ぎんたま、ばさら、おおふりを愛しています。テニヌの王子様、デュラララ!!に夢中です。愛、溢れ出ちゃう!
※解離性障害(多重人格・不随意運動ほか)を患っています。そのため更新も一人ではなく数人でおこなうことがあるかもしれません。ご了解下さいませ。
※ここに置いてある小説もどきみたいなんは、特に表記のない場合ぜんぶテニヌの王子様二次です。
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