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君と平日午後水族館に行きたい


※あとべとおしたり



「暇やなあ」
「なら帰ればいいだろ」
日曜の午後。突然家にやってきて勝手に上がりこんだくせにそんなことを言う奴に、俺は即座にそう返した。こうして奴がここに居座るのは、ひさしぶりのことだった。学校のある日はもちろんのこと、休みの日であっても部活はいつでもきっちりと入っていたので。それが厭だと思ったことはなかったが、奴と何をするでもなく部屋にいると、もうすこし部活のない完璧な休み、というのがあってもいいんじゃないかと思う。俺は何もすることのない時間というのがとてつもなく嫌いだったはずなのだが、奴とだとなんとなくそれもいいかもしれないと思わされる。ずっとこうしていてもいいなんて、バカみたいなことも。なのに。

「そういう話やないやろ」
「けど暇なんだろ。あいにくうちにはおまえの暇を潰せるような雑誌もゲームもAVもねえ。ほかあたれ」
「ひどいなあ。べつにそんなんでここ来てるわけやないわ」
なら何だって言うんだ。心の中でひっそりとつぶやく。奴にはインサイトなど使えないから決して俺の心の中などわかりはしない。暇だと言うならもっと奴の欲求を満たせるような場所へ行けばいいのだ。俺はよくはしらないけれど、遊園地だとか映画館だとかゲームセンターだとか、色々あるだろ。奴はショッピングも好きだと聞いた。ような覚えがある。そうだ、服でも靴でも買いに行けばいいのだ。おまえなら付き合ってくれる女のひとりやふたり、確実にいるだろ。なんでわざわざ、来たって暇だとわかっているにも関わらず、ここに。

「なーんかなあ、デートとかおしゃれとかそんな気分やないねんなあ」
なんや、あとべとぼんやりしたいような気分やねん。俺の心を見透かしたように、奴はそう言う。俺は軽い動揺と共に言葉を吐く。
「なら暇だとか言ってんじゃねえよ」
そやな、と言って、奴は軽く笑う。
「あーなんか今度あとべと水族館とか行きたいなあ。ペンギンとか。見たくない?」
「なんでペンギンだよ。そんなもん彼女と行け」
「居いへんもん、彼女」
「つくれ」
「無理や」
「がんばれ。おまえなら出来る」
「適当やな。思ってへんやろ。やなくてやな。あとべと行きたいねんて。水族館。行かへん?」
「行かねえ」
「んな即答せんと」
ええやん、行こ?そう言って奴はこちらを覗き込むように見上げてくる。そうして奴に覗き込まれると、俺は何故か何も言えなくなる。言いたいことはたくさんあるはずなのに、何も言えなくなる。どうしたらいいかわからなくなって、俺はいつも奴から目をそらす。
「・・・気が向いたらな」
「うん」
そうして奴は、今度はやわらかく深い笑みを俺に向ける。俺はまた、居た堪れなくなって目をそむける。

言いたいことはたくさんあるのだ。なんで俺がおまえと一緒に水族館になど行かなければならないんだとか。そもそもなんでおまえはここにいるんだとか。いてもいいと思ってるのかとか。なんで俺がこんなにも。こんなにもどうしようもない気持ちにならなければいけないのかとか。

「あーでも、」
ふいに奴が発した言葉に、俺は思考から引き戻されるようにはっと顔をあげる。そんな俺に構わず、奴はぼんやりと目線を宙に漂わせながらこう言った。
「でも、またこんなふうにぼんやりするのも、わるないな」
そうして奴はこちらを向いてふわりと笑う。そんな奴を見ていたら何もかもどうでもよくなって、こいつがいいならそれでいいかなどと酷く惚けたことさえ思う。しかしそれを言うのはどうにもしゃくなので、「はんっ」と鼻でわらったあと、「俺はよくねえよ」と言っておいた。
それでも楽しげに笑っている奴を見て、俺は、どの水族館に行けば一番たくさんペンギンが見れるかなどと考え始めた。




あとべの乙女っぷりが異常。

最近ずっと不眠が続いています。若干落ち込んでしまう出来事があり、ストレスが溜まっているのだと思いますがなんにせよ眠れぬ夜は辛い。暇です。ということで小説を書く回数が増えています。小説って、今まで書いたことなかったのでしらなかったのですが、時間かかるし、さらにmoeを消化することも出来て、眠れぬ夜にはもってこいですね。これからさらに駄文を載せることが増えそう。うふふ。読む方にとってはもういいよ!というかんじでうんざりかもしれませんが、この文章の裏にはわたしの不眠とCPに対する熱き想いとそれらによって興奮し充血した瞳があるんだということを慮って許してやって下さい^^

ちなみに上の忍跡は宇/多/田/ヒ/カ/ルの日/曜/の/朝を聞きながら書きました^^冒涜?なんとでも言え!^q^



追記:次こそはししどを、って言ってたのにまた書けなかった・・・!くそ!!このままししどは永遠の目標で終わってしまうのか?!以下次号!(?)

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高速道路を走る話



※じろーとあとべ



あの日、「高速道路を走りたい」と言ったのはおまえだった。

「高速道路?」聞き返した俺に「うん、」と答えたおまえは、自分で言い出したくせにどうでもよさそうな顔ではふ、とあくびをした。
「高速道路なんざ、合宿とかで何度も乗ったろ」
「違うよ、そうじゃなくてね、おれは高速道路を走りたいの。足で。」
「足で?」
「うん」
そうしておまえはまた瞼を閉じてあくびをするので、俺はその意味をひとり考えた。考えて考えて、それがおまえの望みならば、叶えてやらなければと思ったのだ。おまえがそれを俺に言ったのだというところに、意味があるように思えたので。

「おまえ、走りたいっつったろ」
俺の自家用車の窓からインターチェンジを覗いて、困ったように瞬く奴に、俺はそう言った。奴の目の前には、奴が望んだとおりの景色がひろがっているはずだった。「高速道路を走りたい」それが奴の望みだった。だから俺は、俺の手にあるかぎりの力を使って、今日この時間から、高速道路を使用禁止にしたのだ。奴が心置きなく高速道路を走れるように。奴のその足で、高速道路を踏みしめられるように。誰も通らぬこの道を、思いのまま走り回れるように。だがしかし、期待に反して奴は困ったような顔をした。俺と道路を見比べて、酷く困惑したように眉を下げる。「? どうしたよ」俺は奴に動揺を悟られぬように、けれども奴の心を見抜けるように、言葉を投げかける。奴はまだ、困惑の表情を崩さぬままだ。

「あのね、あとべ。」
ようやく口をひらいた奴はそう言った。「ちがうよ」「・・・ちがうってなにが」「おれはねあとべ、」奴がそこですうと息を吸うのがわかった。「こういうことがして欲しかったんじゃないんだよ」一瞬言葉の理解が遅れた。何を、言われたかわからなかった。だって、おまえは言ったろ。走りたいんだろ。違うのか?それがこういう意味でないならおまえはなにを。なにを言いたかったんだ。なにが違うってんだ。なにが。なにを。「・・・じゃあ、」「あのね、おれはね、こういうことがして欲しかったんじゃなくて、ただ言ってみただけなんだよ」「・・・なんで」「走ってみたかったから」「・・・じゃあ」「だから違うんだよ」そしておまえは困ったように目を伏せて笑う。「おれは走りたかったけどほんとうに走りたかったわけじゃなくて、ただ言ってみたかっただけなんだよ」俺はその意味をひとり考える。「・・・なら俺は、間違ったのか」

「・・・そうだね」
そうか、間違ったのか。まただ。俺はいつでもおまえの望むものを取り違える。おまえが欲しいものがわからない。おれはいつだっておまえにおまえの欲しいものをあげたいのに。いつだっておまえの欲しいものはわからない。間違えるんだ。
なのにおまえは瞳をあげて俺を見据えてうつくしく笑う。無邪気なこどものような透明な目で笑う。そして楽しそうな声色でこういうのだ。
「だけどおれはそうやっていつもまちがうあとべがだいすきだよ」
俺はまたもその意味をひとり考える。だけどひとりで考えてもいつも答えは出ない。それだけはわかっている。

困惑する俺に、おまえは楽しげに言う。「あとべはおれがだいすきだね。そんなあとべがおれはすき」急に腕をつよく掴まれて俺は動揺する。「行こう、あとべ、走ろう」高速道路、走ろう。そう言っておまえはドアをばん、とつよく開け放ち、俺の家の運転手にありがとうと叫んで俺の手をとって走り出す。目の前にひろがる無人の高速道路は、夕日の日差しをつよく受けて、まぶしいほどに明るかった。




生まれて初めて小説というものを書いてみたよ!記念に晒してみる!自分で自分に課す羞恥プレイ!皆様ご承知のとおりわたしはドMです^q^何故急にじろあとなのかとか何が言いたいんだとかそういうことは言わないお約束です。ただひとつ言えることは、これをわたしはギャグだと思って書いたということだけです。ここまでお読み下さった方ありがとうございました!ごめんなさい!またやってしまっても許してやってね^^それではそろそろ寝ます。おやすみなさい^^

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プロフィール

HN:
芦野汎音
性別:
女性
趣味:
絵描く 歌うたう 本読む ネットサ~フィン(^ω^)
自己紹介:
京都在住、おたく どうじんがわたしの生き甲斐!←
ぎんたま、ばさら、おおふりを愛しています。テニヌの王子様、デュラララ!!に夢中です。愛、溢れ出ちゃう!



※解離性障害(多重人格・不随意運動ほか)を患っています。そのため更新も一人ではなく数人でおこなうことがあるかもしれません。ご了解下さいませ。

※ここに置いてある小説もどきみたいなんは、特に表記のない場合ぜんぶテニヌの王子様二次です。

※CPに節操はありません!お気をつけ下さい!

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